レマン湖を眺めながら、このヨーロッパの旅の事を考えていました。
いろんな事があったけど、そこには人の優しさや助けがあって旅が出来ていたこと、日本人に生まれて言葉の壁に悩んできたけど、必死になればなんとかなるという事。
ほんとうは、もっと勉強しとけばよかったなどなど、、、
スイスからフランスへ
TGVは近代的で快適
ジュネーブからパリへの旅は、TGVという列車に乗りました。
私には、タルゴもTGVも贅沢な列車であり、夜行列車の旅の方が情緒があって好きでした。
TGVは日本の新幹線のようなもので、ビジネスマンや裕福な人が利用しているように感じました。
ですから、逆に落ち着かなかったように思います。
とは言え、ほどなくパリへ到着しました。
パリは、駅にお迎えに来ている人がたくさんいましたが、私は当然一人です。
さあ、英語の通じない旅がはじまりました。
半泣きのパリ
駅で荷物を預かってもらいましたが、フランス語が話せる訳ではないので身振り手振りでなんとか?しました。
そこから、観光にでかけたのですが、チンプンカンプンでした。
街ゆく人に聞いても英語は通じません。
どんどん悲しくなり、迷子になった子供の気持ちでした。
このままいくとやばいと思っていたところ、なぜかわかりませんが凱旋門に行ってみたくなりました。
小さい頃からよく写真や映像で見ていた凱旋門に行ってみようと、、、
凱旋門の近くのホテルに泊まる事にしました。
ヨーロッパ旅行もあとわずかですし、もはや気力がありません。
フロントでは、笑顔で迎えてもらい、とても救われました。
ホテルの部屋で少し落ち着くと、気を取り直して夕暮れのシャンゼリゼを歩いてみたくなりました。
そして、すばらしい光景に出会えました。
凱旋門の周りでみかけたドライバーのやさしさ
暗くなってライトアップされた凱旋門の周りを、クルマがビュンビュン走っていて、とても綺麗でした。
しばらく歩くと、一台のクルマがバックギアを入れたのか、バックランプが光りました。
すると4~5台の後続車のバックランプが続いて光ってゆきました。
一瞬、なにが起きているのかわかりません、すると一番うしろのクルマが思いっきりクルマをバックさせ、それにともなって何台ものクルマがバックしていきます。
最初にバックギアを入れたクルマは、縦列駐車の空いていたスペースにクルマを入れ、クラクションでお礼の合図をしていました。
その一連の光景に感動し涙が出ました。
日本では、わざと幅寄せ、わざと後続車があおる、脇道からのクルマにはわざといれないなど、とてもはずかしい面が当時ありました。
ヨーロッパは真の意味で、クルマの先進国であり日本人は見習わなければいけないと痛感しました。
パリのドライバーの皆さんの行動は、その日落ち込んでいた私を救ってくれました。
今でも私が運転をする時に思い出す光景です。
相手を思いやる精神があるからこそ出来る事です。
昨今、日本でもドライバーのマナーは格段に良くなったと思いますが、ヨーロッパに行った事によりさまざまな事を学べたのは私の財産です。