雄大な山々で囲まれている景観を見ると、まるで神々に守られているようです。
山は、なにも言わずじっとしていますが、ひとたび荒れ狂うと人間の手では何も出来ません。
そうやって、人間や動物は山と向き合ってきたのだと感じます。
支笏湖の自然
雄大な山に囲まれた支笏湖
支笏湖は、まわりを雄大な支笏三山で囲まれています。
恵庭岳(えにわだけ)、風不死岳(ふっぷしだけ)、樽前山(たるまえさん)がそれにあたり、その他の山にも囲まれた大きな湖です。
オコタンペ川、美笛川、ニナル川、フレナイ川からの水がそそがれ、支笏湖からは千歳川が流れ出ています。
この旅では、あまり天気がよくなかったのですが、その後、私は3度訪れました。
冬の日の支笏湖と雄大な山
その中で快晴だった日の事をよく思い出します。
それは、冬の日だったのですが、雪道をやっとの思いで湖畔まで走らせた時、驚くような景観が目の前に広がりました。
支笏三山がすべて見え、雄大な景色にそれまでの疲れも吹っ飛びました。
左の樽前山と風不死岳は、なんとも言えない雪化粧で「まるで砂糖をまぶした」ようでした。
自然は、時としてすばらしい景観を見せてくれますが、この時も何度途中で断念しようと思ったかわかりませんでした。
オコタンぺ湖や丸駒温泉などの湖畔の宿もあり、千歳空港からのアクセスも良いので、お勧めのスポットです。
オコタンペ湖に会いたくて
支笏湖から少しクルマを走らせると、「オコタンペ湖」という小さな湖があります。
私は、前の年に北海道の大沼に訪れた時に、知り合った人から教えてもらいました。
そのかたが言うには、オコタンペ湖の湖畔が最高で大変な思いをしたけど生涯わすれる事のない素敵なところだったそうです。
そして、私にも是非、湖畔に行くように勧められました。
確かに、その時はなんとしても行きたいと思い、翌年のこの旅に来ていたのです。
しかし、この旅で現地のいろんな人に聞いたところ、やめとけと言われるのです。
そうです、ここいらにはヒグマが生息しているのです。というより、ヒグマだらけと聞きました。
オコタンペ湖の湖畔にたどりつくには、山道を歩いて行かなければなりません。
くまさんのキャラクターは好きですが、ヒグマはこわいです。この旅でも、お会いしてないのが不思議なくらいなので。
そうさ、俺は意気地無しさ!
と自分に言い聞かせながらオコタンペ湖の展望台から湖を眺めていました。
すると、夕暮れ時の太陽のおかげで、湖がどんどんきれいに変化をし始めました。
もちろん、あれがそうであろう湖畔の湿地帯もはっきりとわかります。
そして、夕日が山に隠れるまで、展望台にいたのです。
人生には、どうすることも出来ない事がある!
と言い聞かせ、私の淡い思いは夕日とともに沈んでいったのでした。